伊藤和史獄中通信・「扉をひらくために」

長野県で起こった一家三人殺害事件の真実。 そして 伊藤和史が閉じ込められた 「強制収容所」の恐怖。

伊藤和史からの手紙

 皆様、御無沙汰しております。
 徐々に寒さを感じる季節になりましたが、元気にお過ごしでしょうか。
 私は、刻々と近づく、まだ決まってもいない判決のことを考えると、時々、心が乱れますが、おかげ様でなんとか元気に過ごすことができております。
 支えて下さる方に心から感謝している次第です。

 この度は、いくつかお伝えしたいことがございます。

 私のポストカードセット‘その1‘をご希望して下さった方、本当にありがとうございます。
 おかげ様で、少しずつ私の希望(次作“その2”)が広がりつつあります。
 まだ、“その1”はございますので、どうかご支援を宜しくお願い致します。

 先日、10月3日にフォーラム90主催の死刑囚の表現展が行われました。
 その際に、私のポストカードセットの物販コーナーを用意して頂いたこと、又、販売活動をして頂きましたご協力者様、大切な時間を費して下さり、ありがとうございます。
 そして、その活動を呼び掛けて下さった「長野の会」の代表様、ありがとうございます。

 次は、お知らせです。
 「心のおと」の掲載についてですが、色々と諸事情がございまして、現在のところで中止することになりました。
 これまで「心のおと」を掲載して頂きましたブロガーさんに心から感謝するとともに、御覧になって頂きましたあなた様に心から感謝いたします。

 以上がお伝えしたかったことです。
 皆様、これからの寒い季節を、どうか温かくしてお過ごし下さい。
 皆様の日々の健康をお祈りしております。
 では、またいつか、このブログでお逢いできるときまで。
 今日も一日、お疲れ様です。

2015.11.1(日)
伊藤和史



 皆様!
 皆様!

 できておりますよ~ポストカードが!
 おっと、すみません。
 皆様、こんにちは。
 伊藤和史です。
 現在では、つながって下さる方々から徐々に、「カズ」、「カズさん」、「カズくん」、「Kazu」と昔の私の愛称で呼ばれて親しまれております。
 ホンマに嬉しいです。
 是非、この機会にあなた様も私のことを愛称で呼んで下さいませんか?
 この暑さの中、皆様はお元気にお過ごしでしょうか。
 近頃、大気の不安定により、雨が多かったこの東京は、7月10日(この日は華やかな一日だった、私)から晴れのお天気が続いております。
 青空は、とても気持ちがいいですね。
 しかし・・・暑いのです。
 私は、おかげ様でなんとか元気にしておりますが、暑さに弱いためにやや疲れが残っております。
 ちなみに、私は最上階(11階)の居室にて生活しております。
 屋上の熱がじわじわと降りてきます。
 外の世界の皆様も「猛暑日」や「真夏日」などと、お聞きする時は、私の居室は息苦しいサウナ状態になっております。
 おそらく、40℃を越しているかと想います。
 「マーガリン」は液状になり、食品容器に入れた「板チョコ」はやわらかくなって溶け始めるので、食パンがあれば、チョコブレッドにできます。
 「カントリーマアム」は、ほどよくチョコチップが溶けてしみこみ、とても美味しいのです。
 「カントリーマアム」の差入も、ありがとね。
 食べ物のお話に広がりつつあるので、ここで、この話はストップです。そんな感じで居室内は暑いのです(この東京拘置所に移る前の長野県の刑事施設より、マシですけど)。

 さてここからは、ひとりでさわいでいた冒頭のポストカードのお話になります。

 先日、7月1日に「死刑をとめよう!長野の会」(以下、「長野の会」)の代表から、”ポストカードのセットが納品されました”という知らせを受けることができました。
 ここでも、感謝の意をお伝えしたい。
 私のこと想って支えて下さる皆様。
 おかげ様で、ポストカードの完成にも恵まれて、そして、こうして今日もペンを執ることにも恵まれております。
 「私に生きる勇気を与えて頂き、ホンマにありがとうございます」
 まだまだ!
 この度、”その1”(第1弾)のポストカードの制作・完成において、御支援・御協力をして頂きました皆様と業者様。
 私の描いた原画を基に、私の希望するポストカードというカタチへ導いて頂いたことを心から心から感謝しております。
 そして、そして!
 ポストカードの完成に伴って、「長野の会」の方が希望者様の窓口を担って頂けるというのです。
 何から何まで至れり尽くせりで、本当に助かります。
 ありがとうございます。
 御協力の皆様には、色々とご苦労をお掛けしますが、どうか、希望者様のお手元に届くよう、宜しくお願い致します。

 皆様・・・私とつながって下さる皆様・・・ありがとう、ありがとうございます。

 ポストカードのセットですが、12点を1組にしました。
 サイズは皆様のお馴染みのハガキのサイズとは異なり、サイン色紙の約4分の1の特注サイズです。
 タイトルは、”伊藤和史の世界~「心のおと」から言葉と絵~その1”としました。
 ここで、希望者様にお願いがございます。
 大変に図々しく恐縮ですが、希望者様のお心(御支援金)として、1部につき、¥1,500-を頂戴願います。
 又、窓口から直接にお渡しできない遠方の希望者様につきましては、送料を別途ご負担して頂くことになるかと想われますので、その点は、「長野の会」の窓口にて必ずご確認して下さい。
 海外交流者の方は、私が窓口になります。
 
 *ステイ中の方は、ホストファミリーなどの名前と住所を、又、クルーズ中の方は、最終寄港地(ただし、最終寄港地の到着まで20日間以上ある方に限る)の船舶代理店の名前と住所をお願いいたします。”C/O”を付けますので、ご心配なくいつもどおりにお手元に届きます

 只今、個人的なご予約・受付が始まっているようで、もう既にゲットされた方がおられるようです。
 発行部数は200部と数に限りがありますので、お早めに手にして頂けると有難いです。
 もし、手にされた際には、私の命の一部と想って愛して下さると幸せに想います。
 希望者様から頂戴しましたお心は、”その1”の制作費用の返済と次作”その2”の制作費用に充てさせて頂きます。
 ”その2”への制作条件は、”その1”の発行部数分が終了してからになります。
 新たなカタチとして生まれた私のポストカードが、一人でも多くの手に、心に、届くことを心から願い、次の私の希望へと前進できるように、どうか、お力願います。

 あともう少しだけ、お付き合い下さい。
 只今、「心のおと」は、126章まで原稿に書きあげており、打ちの60章までをブロガーさんに託しております。
 ブロガーさんにお時間のゆとりが生まれた時にアップされますので、皆様もブロガーさんにエールを送って下さい。

 では、ここでペンを置かせて頂こうと想います。
 今回も私の想いと向き合って下さった皆様。
 あなた様の大切なお時間を私に費して頂いたことを心より感謝しております。
 所々で厳しい暑さが続いておりますね。
 くれぐれもお身体には大事をとってお過ごしください。
 皆様の日々のお元気をお祈りしております。
 そして。
 世界の平和をお祈りしております。
 今日も一日、お疲れ様です。

2015.7.13(月)
Kazu

 ブロガーさん、こんにちは。
 早くも11月中旬を迎え、寒さも厳しくなってきました。お元気でしょうか。
 私の方は、右スネ内側筋肉の疲労(痛み)と気持ちの面(心の道しるべを見失って迷子になりかけている)以外は元気なのですが、そういうようなことでの元気という表現の仕方は正しいのでしょうか・・・。

 昨日(11/11)、私の手元にあなた様のお手紙が届き、そして、本日(11/12)には、ブログのコピーが私の手元に届きました。
 この度もあなた様の大切なお時間をこの私に与えて下さり、本当に感謝しております。
 ありがとうございます。
 先月の面会では、私、元気そうでしたか。
 そのように想って下さると、私自身とても安心します。
 あなた様のお手紙のとおり、「真島の家」から離れられたということもあって少しずつ自分自身を取り戻しつつあります。
 しかし、人を殺めてしまってから、自分の力で自分自身を慰めていく力を失ってしまったために、頻繁に暗闇に入り込んで孤独・孤立感を味わうことになって、心が凍えてしまいます。
 今、まさにその最中でして、心の中で必死に温もりを求め、又、進む方向を探しております。
 「頑張れ!」
 「顔晴れ!」
 と自分に鼓舞しておりますが、なかなか効果がありません。

 先日送付致しました、「心のおと」のご挨拶的な原稿(5枚)につきましては、「心のおと」のカテゴリーにて『題名を記載せず、すべてひとつの記事で書く』という、あなた様のご理解で間違いありません(筆者注・記事はタイトルがなければ掲載できないので、タイトルを付した)。
 そして、今回新たに「心のおと」から手記を2つ、同封しておりますので、宜しくお願い致します。

 では、ここでペンを置かせていただきますが。
 雨風が冷たく感じる季節です。
 どうか風邪など体調をくずされないように、くれぐれもお気を付け下さい。
 私と向き合って下さる、あなた様のお心にとても感謝しております。
 ありがとうございます。
 今日も一日、お疲れ様です。
 失礼いたします。
                                                        2014・11・12(水)
                                                         伊藤和史

IMG_0002
IMG_0001

 ブロガーさん、こんにちは。
 あなた様の大切なお時間を使わせて頂くとともに、お世話になります。
 本日、10月29日の東京は空が青く良い天気です。
 朝晩は徐々に寒くなりましたが、お元気でしょうか。
 私は先週の10月22日の晩から、ちょこっと風邪にやられ始めましたが、この東京拘置所で戴いた風邪薬と私のために差入れて頂いた食べ物、そして暖かい衣類のおかげで、2・3日の間に元気になりました。
 少しでも体調が悪くなった時の独りというのは、とても心細いものです。
 しかし、それも私自身が犯した罪への罰だと想っております。

 話は一転しますが、先日は私に逢いに来て下さり、大変に感謝している次第です。
 約15分間というあっという間の面会時間ではありますが、私にとって世間での会話レベルを取り戻すための良いリハビリになって、非常に助かっております。
 相変わらず、私は頭の中でたくさんの言葉が交錯してしまって、途中から何を話しているのか解らなくなってしまいました。
 そんな私に対して、黙って私の声を聞いて下さるあなた様に、重ね重ね感謝致します。
 それと、もうひとつ、お金の差入までして頂き、本当にすみません。
 資力の無い私には、食べ物や日用品、その他のものと同じくらいに、お金の差入も大変に助かります。
 差入告知を受けた時、有難く頂戴しました。
 ありがとうございます。
 早速、そのお金で夏もの衣類の洗濯代にさせて頂きました。
 この東京拘置所に移送される前の長野県の刑事施設では、洗濯代を必要とすることは全くありませんでしたが、東京拘置所での洗濯は、肌着や下着、靴下だけしか受けて下さらない。
 それ以外は、すべて東京拘置所が指定するクリーニング店にて有料なので困ったものです。
 そんな贅沢は言ってられないですね。
 今、こうして生きていること事態が、有難いわけですから。
 ところが、同じ服を着続けることくらい我慢しなければいけないのに、つい、“きれいな服が着たい”という欲に負けてしまいました。
 そういう欲の方が困りものですね。
 お礼の意が徐々に私の愚痴っぽい内容になりつつありますので、ここで止めておきます。

 先日の面会のお話の中で、私の手記(「心のおと」)を載せて頂けるということで、これから少しずつお世話になります。
 その件において、少し時間といいますか、現在、時間に余裕がありません(『忙しい』という言葉が嫌いなので表現を変えております)ので、綴り次第で送付いたします。
 私の勝手で申し訳ありません。
 宜しくお願い致します。

 では、ここでペンを置こうと想いますが。
 改めまして、逢いに来て下さり、そしてお金の差入まで、ありがとうございます。
 又、ブロガーさんの大切なお時間と大切な生活の一部を私に与えて下さったことも感謝しております。
 10月が早くも終わりを迎えつつあり、増々寒さを感じるようになりつつあります。
 どうか、お身体にはご自愛ください。
 今日も一日、お疲れ様です。
 失礼致します。
 平日、一日一通制限により、発信が集中して遅れること、大変に申し訳ありません。

2014年10月29日(水) 伊藤和史

「伊藤和史から、ブログへ」

 ブロガーさん、こんにちは。
 お手紙とブログのコピーを送って下さり、ありがとうございます。
 お手紙は昨日(10/9)に、ブログのコピーは本日、10月10日に私の手元に届きました。
 近頃は日中と晩の気温差がはっきりとして、晩は時々、肌寒く感じることがありますが、お元気にされているでしょうか。
 私は先日にお逢いした時と変わらず、何とか元気にしております。

 「死刑囚絵画展」に行かれたのですね。
 たくさん展示されている中から、私の作品を見つけて頂き、大変に嬉しく思います。
 私は元々、絵は観るだけで絵を描かない人だったのですが、現代の状況において、精神的なものもあり、いつ死に足を突っ込むのか解らないため、自分が生きている証として、この世に何かを残そうと想いました。そして、昨年(平成25年)の大道寺幸子基金が運営する「死刑囚表現展」から絵を描くようになりました。
 想像で描く絵は、神経も体力も激しく浪費しますので、非常に疲れます。
 ですので、自分で想うのもなんですが、私の描く絵は私の命の一部だと想っております。
 以前より、逢いに来て下さる方、又、お手紙が増えたのでは?とのことですが、そのイベントのおかげで私の描いた絵に出会って向き合って下さった方からがほとんどで、私への感想や激励を伝えるために、わざわざ、私のところへ足を運んで下さったり、お手紙も同様で一時的に接見が増えました。
 ただ、今後の交流に繋がるのかは解りません。
 でも、皆様の大切なお時間をこの私のために費して下さるお気持ちは、とっても有難く想うとともに感謝の想いでいっぱいです。
 皆様が、たくさん展示されている中から2点しかない私の作品をみつけて頂き、向き合って下さることに、私の方こそ感銘を受ける次第です。
 心温かい方々に恵まれて本当に支えられます。

 松原さんの上告棄却の判決は、非常に心が痛むばかりです。
 本日まで、どのくらいの眼に涙を浮かべたのか覚えておりません。
 7月15日の弁論が行われるまでに「何とかして、松原さんの死刑判決回避を」と想い、松原さんの命の保障も訴えるべく、減刑嘆願書を作成して最高裁へ上申したわけですが、結果、何も実りませんでした。
 松原さんの上告棄却を知った時には本当に深く落ち込み、私は松原さんの人生をねじ曲げただけではなく、この状況下においても、まだ、私は人の命を奪ってしまうのかと胸が締め付けられる想いです、今も。
 松原さんの判決も、2月27日の池田さんの控訴審判決のように、死刑判決を破棄してほしかった。
 池田さんの死刑判決の破棄を知った時、私はこの独居房の中で力強くガッツポーズをして本当に心から喜びました。
 私はこの状況で、池田さんの命を奪うことがなくなったから。
 私の心の中から抱えていた重荷がひとつ減ったから。
 だから、本当に喜びました。
 池田さんには死刑破棄の代わりに、この先、長い受刑生活を過ごさせることになりましたが、それでも、命の保証がされる・されないとでは大きく違うと想います。又、これから先は一時期でも死刑判決を受けて絶望的な想いをさせてしまったので、一日一日を大切に生きてほしいと、心から想う。
 事件に至るまでの、「誘った」という当時の私の心境は、松原さん、池田さん、斎田さんに対しても事実は全く変わりません。
 ただ、現在の私の心境としては、3人に対して「巻き込んでしまった。共犯にしてしまった。」という想いで、申し訳なく心苦しい気持ちです。
 主導者として認定されている私は、松原さんの上告棄却に伴い、私の上告審は非常に厳しい、狭き門になることと想います。
 それでも、私は諦めず訴えていきますし、又、松原さんの命を守り続けることは私の中にある責任のひとつと理解しておりますので、この身体が壊れるまで頑張ります。
 頑張るといっても、実際は私ひとりで頑張れているわけではありません。
 一時期は、本当に自分の人生を捨てようと考えておりましたが、これまで、ブロガーさんのあなた様や他に私のことをお心に掛けて下さる方々のおかげで生きて償うことを教えられ、そして支えられて、こうして私は一秒一秒生きることができております。
 人を殺めた、こんな私に明日という命を繋げて下さるなんて。
 私に寄り添って下さる皆様に本当に感謝するばかりです。
 つい、感情的に綴ってしまいました。
 資力の無い私には余程のことがない限り、便箋にも自己制限を掛けなければ、他の方にも他のことにも綴れなくなってしまいますので、勝手ながら、ここでペンを置かせて頂きます。
 すみません。
 この度から、ブログへお世話になりますが、お互いに上手くシェアできれば幸いです。そして、ブロガーさんの大切なプライベートの一部を、この私が使うことになり大変に申し訳なく想いますが、私はこの機会に感謝するとともに大切にしたいと心から想います。

 では、体調にはくれぐれもご自愛ください。
 今日一日、お疲れ様です。

2014・10・10(金) 伊藤和史


伊藤和史からの手紙・2014年10月10日4
伊藤和史からの手紙・2014年10月10日3
伊藤和史からの手紙・2014年10月10日2
伊藤和史からの手紙・2014年10月10日1


↑このページのトップヘ